「英語の音がちゃんと聞き取れなくて、相手の言ってることが分からないよ…」
たとえば街中で外国人から道を尋ねられたときに、相手の発音が何の単語を指しているのか分からずに、返答に困った経験はありませんか?
動画配信サイトでの外国人のセリフが、ごにょごにょと聞こえる箇所ばかりで、単語レベルでも聞きとれなかったという経験はないですか?
そんなとき、「英語の音がちゃんと分かるようになりたいなぁ…」という願望を抱いた人は多いはずです。
この
「英語の音をちゃんと聞き取れる」
という能力を身に付けるための最強の学習法の1つが、この記事でこれから紹介していく
「シャドーイング」
という練習方法になります。
シャドーイングを正しく実践することで、あなたが正しく認識できる英語の音をどんどん増やしていくことができます!
私自身も現在、毎日のルーティンワークの1つとしてシャドーイングを取り入れており、日々、その威力の凄まじさを実感しています!
本当におススメの勉強法なので、ぜひあなたもシャドーイング練習をスタートさせましょう!
シャドーイングとは?
シャドーイングとは何か?と聞かれたとき、一言で言うとすれば
「“聞く” と “話す” を同時に鍛える練習法」
といえます。
では、以下にシャドーイングの特徴について説明していきます。
多くの人に支持される、王道のリスニング練習法
シャドーイングは、英語のリスニング力アップのための王道の練習法として、英語を学習する大変多くの人が実践しています。
世界中のあらゆる人たちが、シャドーイングを実践してリスニング力がアップしたと語っています。
私も、そのうちの1人です。私の場合、以前TOEIC L&Rテストを受験するために約3ヶ月間の集中対策を行った時期があります。
そのときに行っていた勉強は、問題集を解く、音読をする、そしてシャドーイングをする、この3点がメインでした。
そしてテスト本番では、リスニングのスコアが、3か月前に 280 / 495 だったのが、410 / 495 へと 130点も大幅アップしたという経験があります。
この時実感したのが、
「シャドーイング」の威力はすさまじい
というものだったのです。
以後、現在に至るまで、私も毎日シャドーイングを日課として続けており、リスニング力のさらなる進化を日々実感することができています。
シャドーイングのやり方は?
そんな英語学習者の間では有名なシャドーイングですが、一体どういう練習方法なのかというと、
「英語の音声を聞いて、その音声を、まるで影が追っていくかのようにソックリ真似していく」
というやり方です。
音声を聞いた後、時間が経てば経つほど真似をするのは難しくなっていきます。
そのため特に初心者の方は、聞こえた瞬間にそっくりそのまま真似して発音していけばよいでしょう。
今、「そっくりそのまま」と言いましたが、これは発音だけでなく、
- アクセント
- イントネーション
- リズム
- 声の雰囲気
これらも全て、真似することを意味します。
話し手が楽しそうにしゃべっていたら、自分も楽しそうに発音し、悲しそうな雰囲気で話していたら、自分も悲しそうに発音するわけです。
時には話し手が笑うときもありますが、そのときは笑い声も真似してください (笑)。
とにかく話し手になりきることで、話し手の話し方の全てを吸収する気持ちで臨みましょう。
そうすることで、シャドーイングすることから得られる効果を最大限高めることができるのです。
なお、シャドーイングすることによって得られる効果については後述します。
なかなか上手くできないと思います
百聞は一見に如かず、まずは一度、シャドーイングをしてみてください。
TOEICのリスニング教材や、動画配信サイトのあなたの好きな外国人配信者の話など、何でもいいので。
話し手になりきって、上で述べたやり方で真似をしてみてください。
・・・どうでしたか、完璧に真似できましたか?
あなたがシャドーイング初心者の場合なら、きっと思ったようには上手くいかなかったはずです。
そうなんです、シャドーイングはやり遂げるのがとても難しいんです。
最初は上手くできなくて当然
英語は日本語とはまるで違う発音で話されるし、イントネーション、リズムも大きく異なります。
さらに、これが一番やっかいなんですが、英語は
- 音がつながる (リンキング)
- 音が消える (リダクション)
- 音が変わる (フラッピング)
という性質を色濃く持っていて、それを真似するのが最初はかなり苦労するのです。
加えて、英語の発音には「強形」と「弱形」という区別があります。簡単に説明すると、
「話し手が伝えたい内容に関する部分は “強形” で話され、それ以外の、文の「つなぎ」などの役目を果たす部分は “弱形” でサラッと話される」
というものです。
たとえば、前置詞の from などは「~から」という意味で、これは別に話し手の伝えたいことではないですよね?
そういった単語は、通常の発音「フロム」(強形) ではなく、
「フム」
と、弱形でサッとスピーディーに発音されるのです。
私たちが学校で習った発音は強形です。ですが、実際はよく使われる単語ほど、弱形で発音される傾向が強い。
だから、弱形に慣れていない間は、この部分をシャドーイングするのが大変なんです。
シャドーイングをして、英語の発音の特徴に体で慣れていこう
上で述べたように、英語には英語ならではの発音などの特徴を持っているため、シャドーイングは最初は容易ではないといえます。
では、どうするか? それはやはり、
シャドーイングをすることで、英語の発音などの特徴に体で慣れていく
これに尽きます。
シャドーイングで、音声の特徴を「耳」と「口」の両方を使って、体に染み込ませていくのです。
そのためには、同じスクリプト (英文) を何度も繰り返しシャドーイングしていく必要があります。
何度も繰り返していくと、その音声が体に馴染んでいくことを体感できるはずです。その経験を積み重ねていくわけです。
最初のとっつきにくさだったり、同じことを繰り返すことに嫌気が指して、人によってはすぐに諦めてしまう人もいますが、もったいない!
ここはグッとこらえて、今は上手くできなくても気にせずに、継続してみてください。
一筋縄ではいかないトレーニング法だけあって、上手くできるようになっていくと、そこから得られる効果は抜群です!
後ほど、シャドーイングが継続しやすくなる方法も紹介しますので。
シャドーイングの効果とは?
ここからは、シャドーイング練習をすることで得られる効果について説明していきます。
シャドーイングの効果は、主に以下の通りです。個別に解説します。
- リスニング力がアップする
- 発音・アクセント・イントネーションなどが上手くなる
リスニング力がアップする
シャドーイングをしていると、途中で上手く真似できない箇所が現れるでしょう。その部分は、あなたが
- 音を正しく聞き取れていない
- 音は聞き取れるが、意味まで入ってこない
のいずれかの状態だと考えてください。
前者の場合は、
- 英語の音が “つながったり“・”消えたり“・”変わったり“している
- 英語の音が弱形になっている
箇所のために、音が拾えていない状態だと考えられます。
一方、後者の場合は、
- その音を持つ単語をそもそも知らない
- 単語は知っているが、発音を間違って覚えていたため、気が付かなかった
状態だと考えられます。
このように、シャドーイングできなかった箇所の原因を突き止めて、それを克服していくことで、1つ1つ弱点をつぶしていくわけです。
そうすると、きちんと聞こえる箇所がどんどん増えていき、その結果、リスニング力がどんどんとアップしていくのです。
注意深く聞くクセがつく
シャドーイングは、音声をそっくりそのまま真似しなければならないため、結果としてかなりの集中力を必要とします。
音声の発音・アクセント・イントネーションはもちろんのこと、先述した音の「変化」や「弱形」にも注意しなければいけません。
そこまで集中して聞き取って、初めてシャドーイングは成立するのです。
通勤時に音声をただ聞き流すだけだったり、自宅で他の作業をしながら音声を垂れ流しているだけの場合とは、集中レベルの次元が違うのです。
そんなシャドーイング練習を繰り返すことで「英語を注意深く聞くクセがつく」ようになって、より一層、音声が記憶に蓄積されやすくなります。
結果、リスニング力のアップにつながるというわけです。
発音やアクセント、イントネーションが上達する
シャドーイングは聞いた音声の発音やアクセント、そしてイントネーションなどをそっくり真似ていくわけですから、そのまま、それら3つの実践練習になっているわけです。
しかも同じスクリプトで何度も練習を繰り返すため、それら3つが耳だけでなく、口にも馴染んでいきます。
こうして、我流ではない、ネイティブスピーカーに近づく発音やアクセント、そしてイントネーションを身につけることが可能になるのです。
しかも発音に関しては、1つ1つの単語の発音記号そのままではなく、音の「変化」や「弱形」などを含んだ、より実践的な発音が身につきます。
そのため、スピーキング力のアップにも役に立つのです。一石二鳥ですね!
シャドーイングを行う上での注意点
ここで、シャドーイングを行う上で、注意しておきたい点をいくつか述べておきます。
- 長すぎるスクリプトは使わない
- 聞き取りが難しいスクリプトは使わない
- 事前に、スクリプトの中身をチェックしておく
長すぎるスクリプトは使わない
あまりに長いスクリプトは、かなりの集中力を必要とするシャドーイングには向いていません。
せいぜい 1分 ~ 30秒くらいで収まるもののほうが、集中力が維持できますし、さらに、繰り返す意欲も維持できると思います。
聞き取りが難しいスクリプトは使わない
音声のスピードがものすごく速かったり、使われている語彙が難しいものばかりで聞き取りが難しいスクリプトも、向いていないでしょう。
シャドーイングすること自体が簡単ではないのに、スクリプトまで聞き取りにくいとあっては、シャドーイングが「苦行」になってしまいます。
シャドーイングは「どれだけ繰り返すことができるか?」が核となるので、繰り返し練習する意欲がわいてくるものを選びましょう。
あと、これは最初は判断するのが難しいのですが、音声の中にはえらく「なまり」の強いものもあります。
日本語でさえ、方言の程度が強すぎると聞き取りにくいですよね?英語でももちろん同じです。
もしなまりの強い音声でシャドーイングを積み重ねると、なまりの強い英語が身に付いてしまいます。
特に動画配信サイトなどでは、なまりの強い配信者もよくみられます。
この危険を避けるためには、やはり市販のシャドーイング用教材を利用するのも手だと思われます。
特にまだ慣れないうちは、そのような教材で、内容が易しく、なまりがなくて発音が正確な音声を使って練習することをおススメします。
事前に、スクリプトの中身をチェックしておく
シャドーイングを始める前に、使用する音声のスクリプトの中身をチェックして、単語や文法で分からない箇所を全て解決しておきましょう。
それらに気が紛れていては、シャドーイングに集中できません。
さらに、音声を聞いて、音声とそれに対応する単語を事前に一致させておきましょう。
そうすることで、シャドーイング中に
「あっ、この音声はあの単語だな」
と判断できるようになって、正しい発音・アクセントを覚えることができます。
上に述べた3つの注意点を意識しながらシャドーイングを行っていけば、その威力は最大限に発揮されることでしょう!
何回繰り返すべき?
もしも音声を1回だけシャドーイングして、いきなり完璧にできたとしたら、その人はもはや英語の達人でしょう。
スクリプトにもよりますが、普通、何十回と繰り返して、ようやく8割方の音声を発音できたら良いほうではないでしょうか。
中には 50回、100回繰り返さないとモノにできないケースもあるでしょう。
ですから、画一的に何回繰り返せばよし、というものではありません。とにかく、
「音声の全ての箇所を完璧に発音できた!」
と実感できたときに、そのスクリプトのシャドーイングは卒業になるでしょう。
ただ、正直言って、1つのスクリプトのある分だけが何回発音しようとも真似できない場合がけっこうあるはずです。
そんな時、その部分にこだわり過ぎて他のスクリプトの練習ができないのなら、その部分はいちど保留にしておく、という柔軟さが必要です。
そうでないと、ストレスが溜まってシャドーイングが嫌になってしまいますからね。
ただ、できる限りは 100%に近付けていくようにはしましょう。弱点は、残さないようにしないと。
何か他のことをしながらのシャドーイングについて
机の上で集中してシャドーイングを行うのが基本ですが、その他にもおススメできる練習法があります。それは、
「何か他のことをしながら、シャドーイングをする」
です。たとえば徒歩で通勤中に「歩きながら」シャドーイングを行う、他にも「風呂で体を洗いながら」行う、などなど。
何か他のことをしているときに、片手間でシャドーイングを行うのです。
「これでは、シャドーイングに集中できないじゃないか!」
と思われるかもしれません。確かに机の上で集中して行うシャドーイングよりは集中力はだいぶん落ちます。
ですから、このシャドーイングを行う前提として、
「机の上ですでに何十回もシャドーイングを終えて、大方スムーズに発音できるようになった音声」
のみを使って、シャドーイングするのです。
何度も言いますが、シャドーイングは「繰り返し」が核です。
この方法を取り入れれば、いつでもどこでもシャドーイングできるようになるので、繰り返せる回数がグンと増えます。
毎日忙しい日々を送っているあなたでも、シャドーイング練習を繰り返せるのです!
「もうすでに30回以上も繰り返している音声を、さらに机の上で繰り返すのは苦痛!」
と嫌気が指してきたときにも、場所を変えて練習を継続できるため、おススメです!
まとめ
この記事は、以上となります。
シャドーイングは、“聞く” と “話す” を同時に鍛える、リスニング力とスピーキング力を共にアップできる最強の勉強法の1つです。
シャドーイングをすることで、発音・アクセント・イントネーションのみならず、音の「変化」や「弱形」という特徴も体で覚えていきましょう。
そして、スクリプト全体を正確に発音できるようになるまで繰り返し練習し、自分の中の
「身に付いた音のストック」
をどんどんと増やしていきましょう。
なかなか骨の折れるトレーニング法ですが、できるようになってくるとだんだん楽しくなってきますよ!
頑張ってください!